腰痛とは?

1、腰痛とは疾病の名前ではない

“「腰痛」とは疾患(病気)の名前ではなく、腰部(図 腰痛の範囲と定義)を主とした痛みやはりなどの不快感といった症状の総称です。”(※1)

腰痛の範囲と定義

つまり「腰痛」とは、「腰痛」という病名ではなく、様々な要因によって腰に不快感が現れている状態のことです。

“腰痛と一言で言っても、腰椎から脳に至るまで様々な原因がある。”(※2)とされていて、皆さんが腰に違和感や痛み、筋肉の張りを感じたときに、この腰の不快感はいったいどこに相談に行けばよいのか?というお悩みに柔道整復師(接骨院)の立場からお答えします。

2、腰痛には様々な原因があり、さらには原因不明の腰痛も存在する

先ほど「腰痛」は腰椎から脳に至るまで様々な原因あるとお伝えしました。原因とは「その物事を引き起こすもと」です。

腰痛の場合、腰痛の原因がはっきりしていれば医師の診断が可能な「特異的腰痛」と言われます。反対にはっきりしたレントゲンや血液検査などをしても原因が見つからない腰痛は「非特異的腰痛」と言われています。

ここで大切なのは、単に腰痛と考え自分で「薬を飲んでおけば大丈夫」「町の整体で見てもらおう」「マッサージに行けば軽くなる」「自分でストレッチすれば何とかなる」と判断せず、「医師の診断(治療)を受けないといけない病気の可能性もある」ことを理解したうえで、接骨院である当院も含め自分自身にとって最適な施術をどこで受けるのかを選択することです。

腰痛の85%は非特異的腰痛

1、見逃してはいけない腰痛・特異的腰痛とは?

“医師の診察および画像の検査(X 線や MRI など)で腰痛の原因が特定できるものを特異的腰痛、厳密な原因が特定できないものを非特異的腰痛といいます。”(※3)

特異的腰痛の中には、癌の脊椎転移や大動脈解離など生命に関わる重篤な病気が隠れている可能性がある。特に動いておらずじっとしていても痛む場合には注意が必要で、早急に医師の診断を受けるべきです。
(腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症は基本的に動いているときに痛みが生じる)

■原因が特定できる腰痛・特異的腰痛の割合(※8)
・腰椎椎間板ヘルニア4~5%
・脊柱管狭窄症4~5%
・圧迫骨折 4%
・感染性脊椎炎や癌の脊椎転移 1%
・大動脈瘤、尿路結石などの内臓疾患 1%未満

自分の腰痛が特異的腰痛なのか?それとも非特異的腰痛なのか?は医師でしか判断することはできませんが、自分の腰痛がどの程度の危険度であるのかをセルフチェックできるので、腰痛でお悩みの方は確認してみるとよいでしょう。

腰痛の危険度チェック

①じっとしていても痛む 危険度大
②背中が曲がってきた 危険
③お尻や脚が痛む・しびれる 要注意
④脚の痺れにより長く歩けない 要注意
⑤体を動かしたときだけ 腰だけ痛む 危険なし
とあります。(※4)

上記のセルフチェックで①~④に該当する方は、重い脊椎の病気や内臓の病気の可能性があります。非特異的腰痛の可能性が高く、自然治癒を期待するよりもすみやかに医師の診断を受けることをお勧めします。

(注)ただし、ギックリ腰などの炎症が強い急性腰椎捻挫の場合、安静でも痛みを感じることはあります。

⑤体を動かしたときだけ、腰だけ痛む方の場合、腰の椎間関節や筋肉などが原因の腰痛である可能性が高く、その場合、当面の危険はありません。ほとんどの腰痛は1か月以内に痛みがなくなる心配のないものです。
ただし、症状が悪化した場合や、3か月以上症状が続く慢性腰痛の場合は、整形外科を受診することが必要となります。

2、非特異的腰痛とは?

“非特異的腰痛は、「原因がよくわからない」ものの「心配する異常や病気のない」「危険ではない」腰痛といい換えてもよいでしょう。信号でいえば、”青信号”の腰痛です。”(※5)

“ぎっくり腰とは、椎間板(ついかんばん)を代表とする腰を構成する組織のケガであり、医療機関では腰椎捻挫(ようついねんざ)又は腰部挫傷(ようぶざしょう)と診断されます。

しかしながら、厳密にどの組織のケガかは医師が診察しても X 線検査をしても断定できないため非特異的腰痛と呼ばれます。腰痛の約 85%はこの非特異的腰痛に分類され、通常腰痛症と言えば非特異的腰痛のことを指します。”(※6)

腰椎周辺の損傷を受けやすい所

ぎっくり腰の原因となる腰椎周辺の損傷やケガ・傷は、そもそもレントゲンに写らない組織に起こるケガで、小さな傷であっても強い痛みを感じることもある。

腰痛には様々な要因が絡んでいる

1、動作要因

「重量物を頻繁に取り扱う」「腰を深く曲げたり、ひねったりする ことが多い」「長時間同じ姿勢で仕事をする」「不自然な姿勢が連続する」など、主に職業に絡んで腰に負担のかかる動作を反復する動作が要因となっている。

2、環境要因

「身体が寒冷にさらされる」「車輌運転などの全身振動に長時間さらされる」など、外部から受ける刺激や負担が要因なっている。

3、個人的要因

「慢性化した腰痛を抱えている」「年齢とともに痛みが続く」「腰に違和感があるが、専門家に相談できる体制にない」「腰が痛いときでも、小休止が取れない」「仮眠するベッドがないため、満足な睡眠が取れない」「夜間勤務が長い」「夜勤回数が多い」「急いでいるため、本来二人でする作業を一人ですることが多い」など個人的な要因。

4、心理的要因

「仕事の満足度が得にくい」「働きがいが感じられ ない」「仕事中にイライラすることが多い」「上司や同僚 とうまくいかない」「患者や利用者から嫌がらせを受ける」など、心理的な要因も腰痛の程度に大きく関与していることが知られている。

人間の脳には、本来痛みを抑制するメカニズムが備わっていますが、大きなストレスを感じ続けていると「痛みを和らげるメカニズム」が機能低下をおこし、慢性的に痛みを感じるようになってしまいます。趣味やスポーツなどで適度なストレス発散を心掛けることも大切です。

どのような腰痛なら接骨院で保険施術が受けられる?

まず、保険が使えるという前提で接骨院での施術が受けられる条件は、以下のようになります。

1.整骨院や接骨院で骨折、脱臼、打撲及び捻挫(いわゆる肉ばなれを含む。)の施術を受けた場合に保険の対象になります。
2.なお、骨折及び脱臼については、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要です。
3.保険医療機関(病院、診療所など)で同じ負傷等の治療中は、施術を受けても保険等の対象になりません。

こんな時にぎっくり腰はおこる!

たとえば、ぎっくり腰椎間板(ついかんばん)を代表とする腰を構成する組織のケガであり、医療機関では腰 椎捻挫(ようついねんざ)又は腰部挫傷(ようぶざしょう)と診断されます。

ぎっくり腰が起きるときの動作

もう少し具体的にすると、
・重い荷物を持とうとした時
・後ろの荷物を取ろうとした時
・下に落としたものを拾おうと体を捻った時
・運動をしていて急に動いた時
・咳、くしゃみをした時
・滑って転び腰をぶつけた時
・立ったまま靴下をはこうとした時
・椅子から立ち上がった時
などのタイミングで起こることがあります。

(ただし、上の条件だけでぎっくり腰が起こるというより、普段からの運動不足で筋力が弱っている、腰椎周辺の組織の老化が起こっている場合、上に上げたように急な動作引き金となっているケースが多いと考えられています)

負傷日時と原因がはっきりしている腰痛であれば、腰椎捻挫、腰部挫傷となり健康保険を使って施術を受けることができます。また、仕事中にケガをした場合は労働者災害補償保険(労災)の扱いとなります。

かたぎり接骨院で受ける腰痛施術のメリットは?

接骨院では、主に筋・筋膜性の腰痛、椎間関節の捻挫など腰痛の多くの割合を占める症状に対し施術を行っています。

特に筋・筋膜性の腰痛、椎間関節の捻挫などの腰痛には上記にあるように「動作要因」「環境要因」「個人要因」「心理要因」が絡んでいますが、普段の生活の中でちょっと気を付けるだけで、腰痛にならない、腰痛を悪化させないようにすることも可能です。

かたぎり接骨院では当院に来院される患者さんに施術を行うと同時に「腰痛にならない」「悪化させない」ためのサポートを提供しています。

1、筋・筋膜性の痛み、椎間関節の捻挫などの腰痛は関節可動域テストで現状を把握する

腰の筋肉を傷めた、椎間関節のケガである場合は画像による診断ができませんし、そもそも接骨院ではレントゲン撮影等の医療行為は行えません。

半面、筋肉の張りや関節可動域を確認することは、柔道整復師の得意とするところと言って良いかもしれません。腰の筋肉を直接手で触れることで、「筋肉の過剰な緊張状態(硬さ)や筋肉の挫傷の有無」、「どのように動かしたときどこに痛みが出るのか」、「どのような動きに制限が出ているのか」などを確認します。

この方法は患者さんに痛みなどの負担をかけることもほとんどありませんので、安心して施術を受けていただけます。この時、痺れや麻痺そのほかの重大な病気の可能性が見られれば、整形外科で医師の診断をおすすめすることもあります。

2、急性期の腰痛には安静だけよりも適度な運動がおすすめ。

整形外科腰痛診断基準によると急性期の腰痛には安静にすることよりも適度な運動が勧められています。もちろん動くと激しく痛む段階で運動はお勧めできませんが、痛みが軽減してきた段階ではウォーキングや室内でのエクササイズが良いでしょう。

体を動かすと自然と血液循環もよくなります。特別な道具も必要とせず、一番簡単に行えるおすすめなエクササイズは、脚を肩幅よりやや広めに開いて立ち、ゆっくり腰を回すエクササイズです。

超簡単!ゆっくり腰を回すエクササイズ

やり方は3秒程度で1回、骨盤だけをぐるっと回すように左右均等に5回程度繰り返します。腰を回すことで腰周りの柔軟性を養う事ができます。

3、施術は物理療法やストレッチ、徒手による整復術などの代替療法が中心

代替療法とは外科手術、投薬にかわる施術です。医師の診断によっても腰痛の原因がはっきりせず、筋肉・椎間板のケガであることも。

治療とは患者さんの治る力を高める行為であるように、接骨院の施術も患者さんの回復力を高めることが施術の最大の目的となります。物理療法は電気や温熱、牽引などの物理エネルギーを使って、筋肉や関節の血流を改善、関節負荷の軽減、筋肉の緊張を緩和させ回復を助ける事ができます。加えて体への負担も少ない事が特徴です。

4、筋力トレーニングもサポート

接骨院で筋肉トレーニングのサポート?なんで?と思われるかもしれません。

運動不足によって筋力が弱っていたり、腰椎周辺の組織に疲労がたまっている人が、急な動作によって腰椎周辺の組織が傷つき、ぎっくり腰を引き起こすことがあります。

普段から腰の筋肉を鍛える、適度な運動を行うことで腰痛防止につなげます。また、腰回りの筋肉のトレーニングによって、腰に負担をかけない姿勢を維持できるようになります。

5、急性期の腰痛で痛みの強いときはコルセットなどによる腰部保護が有効

急に起こった腰痛で痛みが強い初期の段階は安静が大切。接骨院でお勧めするコルセットは腰の動きを制限でき、痛めた腰部の組織への負担を軽減することが期待できます。

6、痛みが引かない変わらなければ、専門医を紹介

急性期の腰痛は、ほぼ1ヶ月程度で回復が見込まれます。1ヶ月以上痛みが軽減しない腰痛は、特異的腰痛である可能性が高く、専門の医療機関の受診が必要となります。

通常は施術の回数や日にちの経過とともに痛みの軽減も感じられます。

7、スポーツ外傷に対応

当院にはスポーツ愛好家、アスリートも来院しています。競技種目によっては、激しくぶつかり合うこともあり、腰への負担も相当なものです。

腰痛やけが起こってしまったら、打撲、捻挫、肉離れなどの基本処置であるRICE処置といって Rest(安静)・Icing(冷却)・ Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の処置を行い急に起こるケガなどに対処します。

8、姿勢不良の改善もサポート

長時間に及ぶ姿勢不良が腰痛の原因となる例では、

腰痛を予防する「これだけ体操」そり過ぎ負荷

“例えば、受付業務などを担う女性の方で、ヒールを履いて絶えずきれいに見える立ち方を求められる場合、腰は反り過ぎの負荷がかかります。”

腰痛を予防する「これだけ体操」前屈み負荷

“反対にデスクワークが多い方は猫背姿勢になりやすく、物を持ち上げる動作が多い方は前屈みの負荷がかかります。

前者、腰のそり過ぎの負荷がかかる方は椎間板の後方に圧がかかり椎間板の中の髄核が前方にずれます。後者の猫背・前屈みの負荷がかかる方は椎間板の前方に圧がかかり椎間板の中の髄核が後方にずれます。

ヘルニアとは圧に耐えられなくなった髄核が椎間板から飛び出してしまう状態です。飛び出してしまった髄核が神経を圧迫すると痺れや麻痺といった神経症状を引き起こす可能性があります。髄核のずれを起こさない動作や姿勢を心掛けて腰痛予防対策に取り組みましょう。”(※7)

腰痛患者さんへのアドバイス

1、長時間のデスクワークを控える

長時間のデスクワークは、無意識のうちに悪い姿勢を続けていている可能性が高く、肩・腰の筋肉は固くなり血液循環も悪くなります。

少なくても1時間に1回程度は、立ち上がって背伸びをするなど腰の筋肉をほぐすストレッチを行いましょう。筋肉が固くなるだけでなく、柔軟性が低下することで急な動きに対応できず腰痛を発する原因となります。

2、車の運転は正しい姿勢で

車の運転で腰に違和感を感じる方の多くは、シートが自分の体に合わせられて可能性があります。腰痛持ちの方が運転時に気を付けてい頂きたいことは、正しい姿勢で運転すること。

正しい姿勢とは、①腰をシートの奥までしっかりつける。②ハンドルは両手で10時10分の位置に握り、肘が伸び切らないまでシートバックを起こす。③フットレストがあれば、足がしっかりつく位置までシートの前後スライドを調整する。
以上の事に気を付けるだけで、骨盤の後傾を防ぎ腰への負担が軽減できます。

3、腰をストレッチする

いくら正しい姿勢だからと言っても、長時間同じ姿勢では腰の筋肉が固まって血液循環が悪くなります。昔やったラジオ体操を思い出し、やってみるのもおすすめです。

4、時にはお風呂で温める

腰の筋肉の緊張が続くと、筋肉が固まり血液循環が悪くなります。筋肉をストレッチすることと合わせて、お風呂などで筋肉をしっかり温めると血行もよくなり、筋肉にたまった痛み物質や老廃物の排出されます。

5、筋トレで腰の筋力強化をはじめよう

様々な腰痛対策を行ったうえでさらに大切となるのが、腰痛の予防です。腰回りの筋力を上げると腰の安定性が高まり腰痛の予防につながります。

6、不良姿勢を改善しよう

人には、意識せずとも猫背や反り腰などの姿勢不良につながる癖が少なからずあるものです。

女性の方はハイヒールを履く機会もあることと思いますが、例えば反り腰の方は、あまり高いヒールのある靴を履くと骨盤が前傾する傾向が強くなります。

骨盤の前傾は腰背中の筋肉にも負担をかけますので、自分の体の癖を知ってあまり高いヒールのある靴を避けるなどの対策を心掛けましょう。

7、痛みの強いときは安静にしよう

動かして痛みがある時は、なんといっても安静が一番。無理をせず休むことも大切です。

まとめ

腰痛の場合、非特異的腰痛が85%と言われ、なかでも筋・筋膜性腰痛の疑いが多くを占めています。接骨院はそのような、筋筋膜性の腰痛、腰椎椎間板のケガに対しては健康保険を使った施術が受けられます。

腰痛は様々な要因と絡み合っていて、それらの要に対する対策を講じる事が腰痛予防にもつながります。かたぎり接骨院では、腰痛に対して痛みの改善を目指すことはもちろんですが、痛みの起こらない身体作りを丁寧にサポートいたします。

引用

(※1)(※3)(※6)(※8)厚生労働省. 社会福祉施設における安全衛生対策マニュアル 第2章 腰痛対策(1),25. https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/1911-1_2d_0001.pdf
(※2)2020.腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版(日本整形外科学会),9. https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001110/4/Low_back_pain.pdf
(※4)NHK健康チャンネル 腰痛の危険度セルフチェック 原因や症状、対処法・治療の注意点.更新日2020年9月28日.最終アクセス2021年5月22日. https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_510.html
(※5)(※7)22世紀医療センター 運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座. 最終アクセス2021年5月22日. https://lbp4u.com/youtu/